幌尻岳(2007.7.5)
百名山98座目は、待望の幌尻岳。数年前の大水でにより2年間ほど、登山道が閉鎖されていたり、幌尻山荘の予約が取れなかったりで、待たされていた山である。渡渉用の地下足袋を用意したのは5年も前のこと。 今年は5月に、山荘の予約と航空券の手配、レンタカーの予約を終え、装備もいろいろ新調した。あとは天気に恵まれて、額平川が増水していないことを祈るだけであった。 一日目:先週から交点が続いていたので水量の問題はないと思われる。前泊は鵡川町の道の駅、「むかわ四季の館」のホテル、四季の風。ここから幌尻岳の登山口の駐車場まで、2時間弱。途中、コンビニで山行中の食料としてパンや弁当を調達する。 仮ゲート脇の駐車場はすでに20台ほど。空きスペースは5台程度。トイレ横にある登山届提出ボックスを10:12に出、仮ゲートから林道を歩き出す。取水施設まで、8Kmほどだらだらとした林道歩き。登りはわずかできにならない。 取水施設から山道になり、10分で最初の渡渉点。ここで登山靴を地下足袋に履き替える。水の深さは膝程度。晴れていて気温が高いので、冷たさは気にならず、かえって気持ちがいい。調子に乗っていたら、5番目ぐらいの渡渉点で転倒。上半身までずぶぬれ。幸いザックの防水対策はできていたので荷物は無事。以後慎重に渡る。途中の休憩でサングラスを忘れ、取りに戻るハプニングがあったが、14:10山荘着。宿泊手続きをして、1階入り口近くの場所を割り当ててもらう。16:00夕食。岡山から来たというT氏の飲み話に付き合う。18:00寝る。19:30消灯。 二日目:三時前から起き出す人が居て五月蝿い。頑張って4時半まで寝ていたがそのころは小屋はガランとしていた。小屋の周りで木々が風に吹かれていて、この分だと稜線は相当強い風だとガイドが言っていた。十分な防寒対策をする。5時過ぎまでのんびりしていたら、「戸蔦別を回るなら早く出発しろ」と小屋の管理人に言われ、早すぎると思ったが5:10上り始める。 命の水の手前で稜線に出るまでは林の中で風に影響されなかった。だが稜線では5−10mの風で気温も5度は低い。すぐにレインウェアの上を着る。北カールの西稜線に出ると風はますます強く、風速15−20m。風に押され道から外れるし、体が浮き上がることも。背中のサブザックは空中に浮いている。何度も立ち止まり、踏ん張って風を凌ぐ。体温低下を防ぐため、2度風下の岩陰や木の陰で休息する。この辺では戸蔦別を回るか、幌尻だけで引き返すかさんざん迷っていた。 8:16山頂。南側から強風で、記念撮影もままならないし、寒い。後から来たおばさんグループの百名山達成セレモニーが終わるまで待たされている間に風で体温を奪われる。 戸蔦別岳へのルートを見るとほとんどが稜線歩き。少なくとも七ツ沼カールの見える肩まで行こうと出発する。依然風は強いが、道は稜線を少し外れることが多いので風を凌げた。肩まで来ると戸蔦別が目前だし、時間的も早いのでなので、このまま回っていくことに決める。2日前、鵡川で同宿し、戸蔦別を回るといっていたパーティは引き返したようだ。前後に人影は全く無かった。七ツ沼カールの稜線を過ぎ、戸蔦別への登りに掛かりると、風を遮るものが゛なくなる。山頂でも強風に晒されたまま写真を撮る。早々に北に下り、風から逃れる。風さえなければ雄大な景色を楽しむことができる。肩から先、戸蔦別、そしてこれから先の下りの途中から見る幌尻岳は大きく素晴らしい姿を見せてくれた。北カールに残る雪渓もその姿にマッチして美しい。 北戸蔦岳への分岐を折れると後は急な下りが続く。ハイマツやクマザサの中の細い道をルートに注意しながらどんどん高度を下げる。途中から小雨が降ってきたのだけが気がかりだった。 六ノ沢のササヤブを刈り込まれた道で横切ると、沢の渡渉点に出た。地下足袋も用意してきたが、踝の上程度の深さなので、登山靴のまま、素早く渡る。この最初の3回の渡渉だけで、その後は水に入る場所はなかった。川の右岸を岩伝いにヘつったり、山側の林を遠巻きしたりしながら、高さで150mほどくだると山荘の前にでた。12:40。このまま下山する時間もあったが、のんびりすることにした。何もすることがなく夕方までいささか苦痛だった。 三日目:慌てて下山する必要もないので、5時過ぎまで寝てる。すでに皆起きているし、今日登る人はとっくに出発している。 鵡川から一緒のパーティと昨日幌尻に登った九州からのツアーが、下るだけの日程のためまだ山荘に居た。彼らを途中でパスするのは面倒だったので5:50先に出発する。山荘直下の最初の渡渉で膝上までつかる。朝の冷たさで気が引き締まるのと、ここで足が濡れることでの諦めがつく。途中、5時に出発した那須からの来た夫婦を追い越す。下りは登りに比べ勝手がわかっているのでやはり気が楽だ。渡渉回数を数えながらスイスイと下り、気がつくと取水施設に出た。靴を履き替え、後から来る夫婦の到着を確認してから、歩き出す。途中すれ違った4組ほどのパーティが必ず水量を聞いてくる。ほぼ最低でほとんど膝下だと伝える。 駐車場に着くと、久々に下界に降りた感じがした。 三角点記録: 幌尻岳 |
上記登山のデータ | 登山日:2007.07.04-06 | 天候: 1日目 晴 2日目 曇り後小雨、強風 3日目 曇り |
単独行 | 前日、鵡川温泉泊 |
行程: 1日目:9:40仮ゲート駐車場10:12−10:42奥幌尻橋ゲート−11:43ニノ沢−11:53三ノ沢−12:00取水施設12:10−12:20第一渡渉点12:38−14:10幌尻山荘 2日目:幌尻山荘5:10−6:26命の水6:31−8:16幌尻岳山頂8:26−9:00肩−10:19戸蔦別岳10:26−10:48分岐10:55−12:22−12:40山荘 3日目:山荘5:50−渡渉21回−7:09取水施設7:24−8:10幌振橋−8:40奥幌尻橋ゲート−9:14仮ゲート駐車場 |
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交通往路:道の駅むかわ四季の館8:10−仮ゲート駐車場9:40 | ||||
交通復路 :仮ゲート駐車場9:30−沙流川温泉ひだか高原荘10:40−N43E143経由−釧路駅前泊 |