登山NO.1999-30空木岳( 2,864m ) 1999.8.21登山


【空木岳記録】



NO.1999-30 空木岳登山記録

5時に駐車場で起床、6:12分の始発のバスまでに朝食と身支度を整える。他の登山客も朝が早く、バス停にはすでに10個ほどのリュックが並んでいる。天気は予想した快晴とは違い、千畳敷の方は雲がかかっている。なんとか曇り程度で持ってくれたら祈る。

6:00に臨時のバスが始発で出た。それでも一部の客が乗りきれなかった。しらび平までの道はこれまでも何度か通っており、ことさら目新しいことはなかった。ただ朝一番のバスだったため、すれ違うタクシーやバスも殆ど無く快調にケーブルカー駅に着けた。ケーブルカーも臨時が6:48に出ることになった。それでも15分近く待たされた。去年まで一年半ほど付け替えの為運休していたケーブルカーは鉄塔も奇麗になり、新しくまた頼もしく見えた。

千畳敷駅で登山カードの提出やトイレを済ませ、7:09に出発する頃には、小雨が降り出した。木曽殿山荘到着予定は14:30である。極楽平までの急登で体が温まる。人も少なく歩きやすい。極楽平で宝剣岳へ向かう登山者と別れ、これから行程延々5時間の尾根歩きが始まる。晴れていれば見えるはずの空木岳とそこまでの縦走路はまったく見ることができない。

島田娘から一旦下って登り返すと、大きな岩が並ぶ濁沢大峰に着く。ロープなどを使ってまた大きく下ると、今度は檜尾岳への長い登りになる。ここで雨が本降りとなり、雨具の完全着用を余儀なくされる。思いの外、岩場の登り降りが繰り返される。時間的には予定通りではあるが、予想以上に疲労感がある。

やがて立派な標識のある檜尾岳頂上に着いた。

檜尾岳からはあまり大きな起伏もなく、熊沢岳頂上に着いた。ここで昼食休憩にする。丁度入れ違いに登山ツアーと思われる団体が出発するとこであり、静かな山が戻ってきた。

熊沢岳からは小さなピークの上り下りとなり、最後に着いた平坦地が東川岳の頂上であった。漸く今日の行程も残り少なくなり、ゆっくりと休憩と思ったのだが、雨脚が激しくなる気配に追われるように出発させられてしまった。

東川岳からは、黒い屋根の上に石の重石を載っけた木曽殿山荘を目がけて一気に下り、一段と強くなった雨の中を山荘に飛び込んだ。山荘には、先発していた朝日旅行のツアーが既に着いており、ごったがえしていた。2日前に予約の電話を入れた時、「空いているからいつでもきてください」と言われたのとは全く違う状況であった。

翌日、水場まで行き、木曽義仲の力水を補給し、5時58分出発。空木岳の登りにかかる。天気は前の日同様ガスが掛かっているが太陽がうっすら見え、天気には希望がもてる。急登が一段落すると、そこは第一ピークであった。続いて第二ピークへと、同じような岩場が繰り返される。やがて一段と大きな岩が現れだし、岩の間を登ったり、大きな岩を飛び越えていくと、白い砂と岩が美しい空木岳頂上に着いた。小屋を出て1時間13分であった。ここでこんなに岩場を楽しめるとは思ってもいなかった。帰宅後読んだ本では、剣岳と同じくらいの岩と言っている人がいるのを知り、自信がついた。

山頂で天気の回復を待っていると、暫くして太陽が霧の木曽谷側へ差し込み、ブロッケン現象を何度も楽しむ事が出来た。徐々に回復する天気の晴れ間に、槍穂高連峰、乗鞍、御岳をながめ、また南側には、南駒ヶ岳の少しガスに包まれて高山らしさが一層引き立っている姿がとても印象的であった。

約30分の山頂からの展望を堪能した後、白い砂の上を下り、駒峰ヒュッテから駒石へのルートを進んだ。避難小屋への分岐を過ぎると池山尾根の長い下りとなり、小地獄、大地獄の難所を通り、樹林帯の中をひたすら下っていく。さすがに空腹となり、池山小屋手前の水場でストーブを使っての食事休憩。流石に2000mもの標高差の下りは疲れる。一息入れてやや生き返ったものの、そこからの下りもまだまだ長く、特に林道を交差してからの急下降は、疲れを感じ出した膝には大変辛いものであった。疲労困憊という感じでようやく駒ヶ根高原バス停に着いたのは、12時35分であった。

この2日間で休憩込みで所要13時間半以上の山歩きであったが、大変満足のいくものでした。今年の8月はこれが最初の山であったため、何としてももう一度山に行きたいという思いを強くして帰路についた。

三角点記録: 檜尾岳−2等三角点梯子樽 空木岳−2等三角点駒ケ岳


空 木 岳 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ 登山日:1999.8.20-21 天候:曇、雨、晴 単独行 小屋一泊
登山路:千畳敷駅7:09−7:46極楽平−濁沢大峰−桧尾山−熊沢岳−東川岳−14:05木曽殿山荘(泊)5:58−7:11空木岳山頂7:45−駒峰ヒュッテ−駒石−小地獄−大地獄−池山尾根−11:18池山小屋分岐−11:46林道終点−12:35駒ヶ根高原バス停
交通往路:8/19溝の口19:30−8:33中央高速−駒ヶ根IC10:45−11:05駒ヶ根高原駐車場(車中泊)−8/20 6:00駒ヶ根高原−(伊那バス)−6:35しらび平6:48−(ロープウェイ)−6:55千畳敷
交通復路:8/21駒ヶ根高原駐車場12:55−(車)−甲斐小泉経由−大月IC−中央高速−調布IC−溝の口18:30

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