登山NO.0066 大  山( 弥山:1,711m ) 1999.10.3登山


【大山登山記録】

【大山登山データ】


NO.66 大山登山記録


この季節になると冬の装備の心配なしに登れる山も限られてくる。今回は、夜行バスで山陰の名峰、大山である。最初は3日掛けて、大山の行きか帰りに、最高点の天狗岳が未達となっている石鎚山を組み合せようかと考えたが、どうにも交通機関の連絡が悪く、かなりの強行軍になる割に、交通費が節約できないので断念した。

金曜の夜午前3時まで飲んでいたので、土曜日の朝は10時過ぎに体が目覚めた。むらむらと山に行きたい気が起こり、すぐさまJTBに行き、その日の夜の米子行きと、帰りのJRの指定券を購入した。予定では新横浜着21:11分の「のぞみ」である。

18時45分に家をでて、品川のバスターミナルに行く。バスは定員30人の3列のデラックスバスであった。途中浜松町のバスターミナルにも寄る事を知り、その方が駅から近く便利なことが分かった。実際、浜松町で乗って来た人の方が多かった。バスは私の予想に反して、満席であった。途中、富士川SAと蒜山SAでトイレ休憩があっただけで体調に飛ばして、定刻25分前の6時35分には米子駅前のバスターミナルに着いてしまった。予定していた7時45分発の大山寺行きまで時間が有ると思っていたが、駅前のバスの時刻表を見ると6時45分発があることがわかった。なるべく時間を稼ごうと食事や水の補給は後回しにして、一番のバス停へ急いだ。他にはお客はいなかった。

大山へ向かう真っ直ぐな道をバスはゆっくりと登っていき、標高を稼いでくれる。終点の大山寺バス停は標高750mである。米子駅では霧雨に近かった雨が途中から本降りに成ってきていた。バスを降りるとすぐに近くの建物の庇を借り、雨具を身に付けなければ無かった。金曜の昼に確認した週間天気予報では雨の心配はないと思っていたのに残念である。見渡した所他には登山者の姿はない。大きな案内板で登山口を確認する。途中の交番が登山届の窓口になっていた。

夏道コースは、大勢の人に歩かれるせいか、よく固められており、標識も各合目と標高100m毎と実に良く整備されている。ブナの根が露出した道を黙々と進んで行くと、緩やかだった登りも徐々にキツくなり、五合目からは岩の道に変わって、岩石流出防止用ネットが設置されている上を歩くことになった。やがて視界が開けるようになり、避難小屋のある六合目に着いた。霧雨は依然として降り続き、日本海からの風も次第に強くなってきている。六合目から八合目までは、傾斜もかなりキツくなり、足場も岩石が露出してスリップしやすく、少し登っては後ろを振り向いて登ってきた道筋を確認するといったことを繰り返しながら進むようになった。しかしそれも長く続かず、八合目からはなだらかな山頂への道となり、ダイセンキャラボクの純林が広がる中、木道の上を歩くこととなった。木道が終わるとしばらくで、茶色の屋根をした頂上小屋が見えてきた。営業中と書かれた看板がでていたが、人気は感じられなかった。嬰ギョウチュウが、そこは昔噴火口であったのだろうか、半円形の丘の麓になっており、その丘の頂上に大山頂上と書かれたプレートがはめられたコンクリートの碑があった。霧が立ちこめているため、そこからは剣ヶ峰方面はまったく見えない。

弥山の三角点まで70mとあり、立入り禁止のロープを跨いで行ってくる。確かに途中痩せ尾根の両側が切り落ちていて山の崩壊が進んでいる事を実感できた。その先には大山最高点である剣ヶ峰への縦走路が続いていたが、登山路の通行は禁止されているので引き返した。

風も強くじっとしていると体温が急激に奪われる気がしたので早々に下山を始める。登りとは別の石室へのルートをとる。夏なら花がきれいだと思われる草地を進むと、石室に着いた。ここで簡単な食事をとる。またこのために持ってきた携帯電話で家に電話をしてみる。大山寺では圏外だった電波も問題なく、実に明瞭に交信できた。今後の山登りには遭難対策も兼ねて必需品であるとの認識を持った。再び霧雨の中を黙々と下り始める。登りの時にすれ違った人が7人いたが、下りでは行者コースの分岐までに14人とすれ違った。この季節としては少なく感じたが、やはり天候のせいだろうか。5合目の上の分岐からの行者コースは、急な下り部分には木が階段状に組まれていて、一気に高度を下げていく。元谷の手前ですでに1000mまで下ってしまった。地図のコースタイムを大幅に短縮して、大神山神社の境内の裏へと出ることになり、後は、大神神社の立派な山門をくぐり抜け、滑りやすくて歩き難かった石畳の道を進み、大山寺の交番に下山届けを出した。

バスの時間を見ると12時20分のがある。着替える時間もなく、バス停に急ぐとまだバスが止まっていた。運転手に着替えの時間を待ってもらい、無事乗る事ができた。米子に着いたのは13:05で予定していたバスよりも、2時間以上も速かった。食事を済ませ、土産を買って19時11分には新横浜に着く事ができた。それにしても、初めての乗車であった「のぞみ」は5000系のグレーのチューブ型の車体のやつでうわさ通りの速さであった。

三角点記録: 弥山−1等三角点大山


大 山 登 山 デ ー タ
上記登山のデータ 登山日:1999.10.3 天候:雨 単独行 前夜夜行バス中泊
登山路:大山寺−(夏道コース)阿弥陀堂−六合目小屋−九合目−大山(弥山)−三角点−石室−行者コース−元谷−大神山神社−大山寺
交通往路:品川バスターミナル−(夜行バス、キャメル号)−米子駅−(バス)−大山寺
交通復路:大山寺−(バス)−米子−(JRスーパーやくも)−岡山−(新幹線のぞみ)−新横浜

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