前月の広河原行きの時、体調に自身がなく、登り残してしまった甲斐駒ケ岳に行く機会が思ったより早く巡ってきた。週末の天気予報が雨を予想してのと、中央高速が事故などで朝から大渋滞であったため、でかけるのをあきらめていたのだが、土曜の天気から見て、10日の天気の崩れが遅れそうなので急遽でかけることにする。午後3時過ぎに決めたため、出発は16時を過ぎてしまった。先月、広河原まで行っているので、夕食の場所、所要時間、林道の状況とすべて既知であり、すべて予定通りで、9時半には駐車場に着くことができた。流石に夏のハイシーズンが過ぎ、駐車場にも空きが目立つ。
6時50分の村営バスも1台だけしかでなかった。7時15分には直ちに歩き始めることができた。北沢長衛小屋を過ぎ、仙水小屋で休憩と思ったら、早すぎたせいか、準備中とのことでベンチを利用できなかったのはちょっと残念であった。さらに北沢を詰めていくと、左手から岩石地帯が迫ってくる。そのうち右手に大凹地のように北沢の源頭が迫ってくる。この独特の景観を楽しみながらさらに進むと、突然前方の視界が開け仙水峠に着く。眼前にはこれから登る、左手には甲斐駒ケ岳と摩利支天が迫り、後ろには仙丈ケ岳、正面には奥秩父連峰、右手には鳳凰三山と実に素晴らしいながめである。
仙水峠から駒津峰への登りは急ではあるが、登るにつれてより遠くまでながめられるようになるら景色のすばらしさが、その苦しさを忘れさせてくれる。小仙丈岳に隠れてい仙丈岳が姿を見せると、その左には、三峰岳を伴った間ノ岳、北岳が美しい。樹林から潅木、また樹林と、傾斜の変化と共に植生も変わっていく。最後の急登を超えると、ポッカリと広々とした駒津峰の山頂に着く。
甲斐駒と摩利支天が早く登ってこいと言わんばかりに、その雄姿を目の前に堂々とさらけだしてくれる。本当にいつまで見ていても飽きない。実は駒津峰から甲斐駒に登り返す道が結構、きびしい。岩の急坂の登り降りを繰り返さなければならない。途中、直登と巻き道の分岐では、先に摩利支天に登る予定なので巻き道へ行く。これが単なる巻き道ではなく一旦下るのには、ビックリさせられたり、がっかりしたり。やがて摩利支天への分岐に着く。ここで荷物をデポして摩利支天へ向かったのであるが、直後に道を間違えて甲斐駒へのルートに合流する踏み後を辿ってしまった。仕方がないので空身でそのまま甲斐駒の頂上を目指す。砂地の滑りやすいルートを上り詰め、黒戸尾根からの道と合わさり、山頂に至る。360度の大展望を堪能できた。ただ水を置いてきたので喉が乾いて、もっと居たかったのだが10分程度で下山することになったのは残念であった。下山路の途中から適当に摩利支天の方向へトラバースする。甲斐駒に登る人は殆ど、摩利支天にも行くのかと思っていたがこれは大きな間違いであった。少なくとも今日見た限りでは、私の他には誰一人、摩利支天には登っていない。横から見ると甲斐駒に対峙する形の立派な摩利支天であるが、実際に摩利支天の頂きに立って見ると目の前の甲斐駒が余りにも大きすぎてしまうため、思ったより感動がない。それでも景色は甲斐駒にひけをとらない。
摩利支天から分岐へのルートを戻ると、最初にルートを間違えたわけがよくわかる。この当たりは、ルート外の踏み跡が多く見られ、濃霧のときなど十分注意する必要がある。甲斐駒の頂上では携帯電話がなかったので、駒津峰から家に電話をする。天気が良かったことが何よりの幸せである。下山は双児山を経由して北沢峠へ下るルートにする。双児山への登り返しがちょっとあるが、後はどんどん下る道で時間を稼げる。ほぼ予定時刻の14:14に峠に着く。ここでいままで食べていなかった昼の弁当を食べる。実においしかった。ビールは我慢した。
ハイシーズンをはずしたとは言え、かなりの人数の登山者がいた。多くは前日、北沢峠周辺の山小屋で一泊しているようだ。小屋は予約で一杯のため、予約のない人は泊まれないと掲示されていた。またツアーは2組入っていた。各種のツアーの案内では甲斐駒と仙丈岳を一泊二日(1車中泊)で実施しているようであるが費用が高い。今回の費用は以下のとおり:有料道路 6000円(中央高速(調布−昭和甲府、昭和甲府−高井戸)、村営バス 1500円、走行距離 350Km、食料(弁当、飲料、おにぎり、チョコレート、缶詰)1148円
三角点記録: 甲斐駒ケ岳−1等三角点甲駒ケ岳2965.58m
上記登山のデータ | 登山日:2000.9.10 | 天候:晴 | 単独行 | 前日車中泊、下山後帰宅 |
登山路:広河原山荘6:50−(バス)− 7:15北沢峠−7:21北沢長衛小屋−7:46仙水小屋7:52−8:16仙水峠8:20−8:55休憩9:03−9:33駒津峰9:40−10:25摩利支天分岐−10:50甲斐駒ケ岳11:00−11:25摩利支天11:30−11:43摩利支天分11:50−12:27駒津峰12:32−13:03双児山13:24−14:14北沢峠15:00−(バス)−15:15広河原バス停 | ||||
交通往路:前日:16:30溝の口−18:05調布インター−中央高速−19:30昭和甲府インター−19:40(夕食)20:36−南アルプス街道−21:35広河原駐車場前泊 | ||||
交通復路広河原駐車場15:20−南アルプス街道−16:25昭和甲府インター−中央高速−19:38高井戸インター−19:57溝の口 |