晴れ時々曇りという週末の天気予報に期待して、懸案であった平ヶ岳と魚沼駒ケ岳を目指す。平ヶ岳の登山口のある鷹ノ巣へは東北道を利用した桧枝岐経由のルートと関越道を利用した小出経由のルートがある。今回はまだ走ったことのない銀山湖への奥只見シルバーラインを利用する小出ルートにする。溝の口から5時間程度を予定する。途中有料道路料金節約のため、六日町ICで一般道に。夕食を済ませ、いよいよ奥只見シルバーラインのトンネルに入る。思ったよりも走りやすい良い道で時速50Km以上の速度で銀山平に。ここからのR352がどんな道かと心配だったがこれまた、大変よく整備された道で、沢を超える度にFordのための路面の凹凸がある他は全く快適であった。距離は思ったより長く約25Kmで鷹ノ巣の先の登山口駐車場に着く。約20台程度が停まれるスペースがあり、すでに4台停まっていた。翌日の早出にそなえて早速就寝。
4時30分頃、隣に入ってきた車のアイドリングの音がうるさく、眠れない。このままうとうとしながら5時を過ぎ、仕方なく起きることにする。早い人は5時前にもう出発していく。予定していたストーブを使っての朝食は面倒くさいので止めにし、こちらも急かされるように5時30分には出発準備にとりかかる。天気は夜中に星が溢れていたとおり、すばらしい快晴である。まだ太陽の光が差さない薄暗い中を出発する。なにせ往復10時間以上の長丁場だ。
林道からの分岐を見逃さないよう注意していたが、はっきりした標識がその心配を無駄としてくれた。下台倉山までの登りが今日のルートの中で一番きつい登りである。しかし燧ケ岳、会津駒ケ岳などの山並み、只見川の源流などの景色がすばらしく、うきうきした気分で高度を稼ぐことができた。今日いっぱいは絶対この晴天が続くと思わせるすばらいし青空である。
下台倉山からは約1700mから1800mの高さを細かく登り下りするだけである。道も台倉山を過ぎると展望が利かない樹林帯のなかのぬかるみの多い道になっていまう。台倉山の手前で右手遠方になだらかな大きな山容の山が見え、それがこれから登る平ヶ岳と気がつかずに、巻機山ではないかなどと思ってしまったのは大失態であった。白沢清水を過ぎてようやく池ノ岳と平ヶ岳の姿を見ながら、最後の急登に取り付く。この登山道を登ってきて気がついたことだが、ここには不必要と思えるロープや鎖が全くないことだ。途中1ヶ所だけロープがあったが確かにそこはロープなしでは困難な場所であった。最近の登山ブームのせいか、過剰に鎖やロープが設置されている山が多い中で、久しぶりに両手、両足をしっかり使ってよじ登るという楽しさを思い出させてくれた。
突然目の前に開ける姫池で展望を堪能したあと、いよいよ平ヶ岳山頂に向かう。ここまで来ると例の問題となっている中の岐林道からショートカット・ルートで登ってきた登山者が大勢いる。平ヶ岳の山頂は地図では三角点とは別の場所であるにも関わらず、1239mの三角点に平ヶ岳1241mの立て札が立てられていた。個人的に立てられたもののようだったが、間違いは困る。そのせいか実際の山頂にまで行く人はほとんどいない。この日も、私の他には、私の指摘を聞いていた一人だけが一緒に平ヶ岳の山頂(最高点)に行ったに過ぎなかった。下記<注>参照
玉子石は伸びやかな山頂を散策する気分で行く事ができる。現物の玉子石は思ったより風化が進んでいて、写真で見ていたものより小さくなっていた。実際に触ってみるとボロボロと簡単に崩すことができた。これでは柵でも作って触れないようにしなければ、数年のうちに人の手で口痩せ細ってしまうと思う。問題の中の岐林道へのルートはどこにあるのかよくわからなかった。少なくとも標識は無く、その意味でも非公式ルートであることは関係者が認識した上で利用していることは明白である。
姫池まで戻り、あとは往路を戻るだけである。予定より早く登れたので、登山カードに書いた下山予定時間の15時30分をキープできそうである。長い長い下山路を景色を楽しみながら淡々と下る。途中時々パラパラと雨が落ちてきたが、雨具を使うことも無く、15時22分無事に登山口に戻ることができた。駐車場で着替えていると雨が強くなり、結局翌日に予定していた枝折峠からの魚沼駒ケ岳への登山は断念することとなった。帰りに枝折峠の駐車場を下見してから折立の温泉に向った。
平ヶ岳は予想に違わぬ素晴らしい山であった。
今回の費用は以下のとおり:有料道路 7700円(関越道、練馬−六日町、前橋−練馬)、走行距離 550Km、食料(弁当、飲料、おにぎり、チョコレート)1226円、夕食(焼肉、寿司)2800円
<注>http://www.convention.co.jp/ip/hira/map1.htmlより転記
平ヶ岳の高さは?
平ヶ岳が記載されている書物、地図などには以下の一覧表(省略)のように4種類の高さがあります。いったいどれが一番正しいのでしょうか。結論 は国土地理院の発行している地形図(1/25,000や1/50,000)に出ている記載が正しいようです。最高点は2141m。平ヶ岳山頂には二等三 角点があり高さは2139.6mです。三角点の場所は最高点の北側にあります。以下は国土地理院に問い合わせた結果です。
国土地理院の三角点2139.6mは、明治時代に設置された時から変更されていません。 2141mという数値は、平成三年に「日本の標高一覧 -1003山-」というデータ集を発表しました。これは、山の最高点を計測したものです。何故なら、利用者に誤解されていたことも一つの理由 です。三角点が山の最高点ではありません。偶然に最高点の所に三角点が設置されている場面もありますが、中腹にある点もたくさんあり ます。従って、三角点が最高点でない場合に最高点を計測して発表したものです。(空中写真を基に図化機で計測したもので、直接測量した ものではありませんが、正確なものです。)
参考:「日本の標高一覧」B5判 144頁 1,529円 (財)日本地図センター
国土地理院のホームページの日本の主な山岳標高 ―日本の山岳標高一覧(1003山)―では平ヶ岳はNo273で標高2141mと表示されてい ます。
上記登山のデータ | 登山日:2000.9.30 | 天候:快晴のち晴 | 単独行 | 前日車中泊、下山後帰宅 |
登山路:鷹ノ巣登山口駐車場5:41−6:18前坂6:26−
7:26下台倉山7:34−8:18台倉山8:20−9:02白沢清水9:10−10:07池ヶ岳10:15−10:45平ヶ岳11:05−11:40玉子石11:45−12:00池ヶ岳12:05−12:38白沢清水12:42−13:17台倉山13:23−13:58下台倉山14:04−14:47前坂14:52−15:22鷹ノ巣登山口駐車場停
所要時間9H41M,休憩85M,正味歩行時間8H16M,標準時間10H40M |
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交通往路:前日:14:55溝の口−16:15練馬インター−関越道−六日町IC−18:30小出(夕食)19:15−奥只見シルバーライン−銀山平−21:30鷹ノ巣登山口駐車場(泊) | ||||
交通復路鷹ノ巣登山口駐車場15:30−銀山平−16:30枝折峠−折立温泉(入浴)17:30−18:05六日町(夕食)18:45−R17−21:05前橋IC−関越道−練馬インター22:50−23:40溝の口 |