午前5時10分、雨が降りしきる、まだ暗い国民宿舎石鎚前を出発。天気の回復の見込みは全くなくただただ頂上小屋を目指す。天気が悪いので、最高点の天狗岳へは行かないと早々にガイドから宣告されてしまっているため、気も重い。再度石鎚山に登り直さなければ...。ツアーの弱点、欠点が諸に露呈してしまった場面である。この次、四国にくる時は、残された課題である、石鎚山(天狗岳、百名山、愛媛県最高点)、三嶺(二百名山、高知県最高点)、竜王山(香川県最高点峰)だけはまとめて面倒みようと思う。
土小屋からの登山道は、なだらかでなかなか高度を上げない。そのまま1時間半近くダラダラと登り詰めると、成就からの道と合流する。ここが二の鎖下であった。雨でもあるし、ツアーということでもあり、当然の事だが巻き道を行く。この次独りでくる時は是非とも鎖を掛けてみたい。ここでは鎖場を登る事は、修行の一つであり、これを鎖をを掛けるという。巻き道といっても元は何も無かった崖に一般登山者のために鉄板や梯子で人工的に作った道であり、殆どの場所で足の下は絶壁である。雨で滑らない様に気を遣いながら登る。二の鎖元からは道は俄然急になり、一気に高度を稼いでいく。何しろ山頂の岩はずっと前からすぐ上に見えていて距離はたいしてないのである。頂上近くの岩山を左回りに回り込んで南斜面に出ると風が強く、体が飛ばされそうになる。すぐ上に見える石鎚神社に詣で、石鎚山頂白石小屋で休憩を取らせてもらう。途中二の鎖下での休憩の時に3口ほどだけ食べた朝食の残りをここで食べる。カップ味噌汁を注文し、空腹も満たされ、本当に一息つける。
風も強く、視界も10m程度で天狗岳はまるで見えない。個人で来てもこの天気では天狗岳は諦める状況だ。もっとも、個人登山の場合はこんな天気では最初から登らないが。しかたなく小屋の中を写真に撮り、下山開始を待った。
下山は、ただただ来た道をひたすら戻るだけである。霧や雨が強く視界が悪い、恐怖心がなく下りやすいのが唯一のメリットだった。9時30分、宿舎到着。このままバスで瓶ヶ森へ向かう。
後日談−最高峰の天狗岳に登らなかった今回の石鎚山登山を百名山記録とするか結構迷った。百名山関係の本をいろいろ調べ、一週間掛かってたどり着いた結論が次のものである。
1.54番目の百名山登山記録とする。<−−天狗岳登頂日にこの記録は表外とし採番し直しました。
2.当然ながら愛媛県最高点、四国最高点は未達成とする。
3.百名山完登までに、天狗岳に登る。
上記登山のデータ | 登山日:1999.5.24 | 天候:大雨 | 24名のツアー山行 | 前日泊 |
登山路:土小屋、国民宿舎石鎚5:10−6:40二ノ鎖元7:00−7:25石鎚山頂小屋7:55−9:30国民宿舎石鎚 | ||||
交通往路:前日、見の越からバス(剣山の項参照) | ||||
交通復路:(バス)土小屋−瓶ヶ森林道−瓶ヶ森駐車場−土小屋−石鎚スカイライン−K12−R494−K212−R33−松山、道後温泉−松山空港−(飛行機)−羽田−(バス)−川崎−(南武線)−武蔵溝の口 | ||||
その他:前日、剣山より移動。土小屋宿泊後、翌24日石鎚山登山。登山後、瓶ヶ森登山、下山後帰宅。 |