2年前のツアーでは暴風雨のため、弥山までしか登れずに、引き返した因縁の山である。そのときの登山記録は1999年の石鎚山登山百名山完登のためにはいつかは登り直さなければならない。ことしのゴールテンウィークは四国の最高峰、百、二百、三百名山をターゲットにすることにした。
4月30日、道路の空いているタイミングを捉え、10時に溝の口を出発。幸い渋滞には巻き込まれず、22:00には石鎚山ロープウェイの乗り場近くの駐車場に着くことができた。車中泊。
ロープウェイの始発が8:00なので時間に余裕がある。天気は曇りだが雲が厚く晴れる気配はない。登山者の数は思いの外少なく、ロープウェイの乗客は20人程度であった。8:10に出発。成就社の境内までは約20分。成就社から折角稼いだ高度をぐんぐん下げ、1350m鞍部まで下ってしまう。これを考えると土小屋からのコースが楽なのが納得できる。漸く本格的な登りになると、試しの鎖に着く。無論迂回路も有るのだがここは挑戦することにする。73mの鎖は今まで経験したことの無い長さと角度で目の前に現れた。鈍った腕には確かにつらい登りであったが、実は下りがまた大変なのである。試しの鎖をこの先の一、二そして三の鎖のこて試しと思ったら大間違いである。実はこの鎖が一番の難関なのであった。鎖を過ぎたところの小屋で疲れた腕と脚を休める。
一の鎖までは単調な登りが続く。先ほどの鎖を思えば、一の鎖は難なく越せる。登りが次第に急になり、土小屋からの道を合わせると、そこは二の鎖小屋である。ここから登山者の数が急に増える。土小屋コースが人気があることが分かる。そしてそれが鎖に無謀に挑んでしまう登山者を生み出す一因ともなっている。引き返したり、途中で立ち往生する者がでてくる。二の鎖は手応え十分であった。先ほどから時々降っている雨により、滑りやすくなっている岩肌がますます腕への負担を増やしてくれる。しかし登りきった時の達成感はさすがである。その先の三の鎖は上り口を見逃したのと、雨や残雪による滑りやすさを理由にパスしてしまった。
弥山の山頂は前回と違って小屋が無くなっていた。再建中らしい、日帰りの登山客が多くなったので経営的にもむずかしそうである。いよいよ天狗岳へ向う。岩稜の登り下りである。他の山なら鎖やロープが当然あってもよさそうなのに殆ど無い。それが緊張感を生み出し、天狗岳の価値を高めているように思えた。立派な山頂である。下手に百名山の標識などがないのがまた気に行った。標識が無いのを残念がっている人がいたが、私は反対である。薄日があるのだが展望を得られそうにないので10分程度で頂を後にする。
2年前「この次、四国にくる時は、残された課題である、石鎚山(天狗岳、百名山、愛媛県最高点)、三嶺(二百名山、高知県最高点)、竜王山(香川県最高点峰)だけはまとめて面倒みようと思う。」の目標の一つはクリアした。時間も早いので急ぐ必要も無い。マイペースで下り、成就社で大休止。下山後、駐車場の前の京屋旅館での石鎚温泉は湯量が豊富で疲れをとるのには最高であった。
三角点記録:なし(石鎚山の三角点は弥山山頂の北西約500m地点にある)
上記登山のデータ | 登山日:2001.5.1 | 天候:曇り時々雨 | 単独行 | 前日車中泊 |
登山路:石鎚山ロープウェイ8:00−8:07成就駅8:11−成就社8:29−9:09試しの鎖−9:26前社森9:35−一の鎖−10:10二の鎖小屋−三の鎖小屋−弥山−10:48天狗岳11:00−11:12弥山11:30−二の鎖小屋−12:05前社森12:10−12:55成就社13:06−13:21ロープウェイ駅 | ||||
交通往路:前日、溝の口−(R246)−厚木IC−(東名高速)(東名阪)(西名阪)(大阪高速)(阪神高速)(本四淡路ルート)(徳島道)(高知道)(松山道)−伊予西条IC−R139−石鎚登山口−車中泊 | ||||
交通復路:石鎚登山口−R139−伊予西条市内−別子マイントピア−車中泊 | ||||